10月13日、大阪夢洲で開催された大阪・関西万博が閉幕しました。来場者は2,500万人を超え、230~280億円の運営の黒字が見込まれるとされます。毎日のように報道された様子からは、開催期間全般にわたり会場の盛り上がっていたことが伝わってきました。中には100回以上来場した方もいたとのことです。
帝国データバンクの調査によると、2割以上の企業が、万博は期待以上の経済効果があったとし、4割以上が期待通りの効果があった、と答えたといいます。
課題も指摘されていますが、大阪・関西万博は、成功と言っていいでしょう。
一方、帝国データバンクが4月に行った調査では、万博のプラス効果を予想した企業は4割程度に留まっていたとされます。テレビなどでも、日本のような成熟国で万博は必要ない等、ネガティブな意見が少なからずありました。
恥ずかしながら、私も万博の効果を懐疑的に見ていました。
大阪・関西万博開催前後の評価を見て感じるのは、「日本人は自国に対する固定観念に縛られている」、ということです。巷では、日本は成熟している、高齢化により成長が期待できない、若者も以前のように熱くならない、等々がまことしやかに語られています。30年続いたデフレはようやく解消されましたが、バブル崩壊後のリストラで染み着いたシニカルなモノの見方はいまだ払しょくできていないのかもしれません。
大阪・関西万博は、大屋根リングのような大胆な設計を取り込み、ユニークなキャラクターを採用し、デザインやサービスに工夫を凝らし、「おもてなし」の気持ちで迎えれば、日本でも多くの人達を熱い共感に巻き込めることを示してくれました。
今の高齢者は元気だし、若者と変わらないデザインの洋服を着て、スマホも使いこなします。感動や熱量を求める若者もたくさんいます。海外の人達は、日本のイベントの企画、運営、関係者の姿勢をリスペクトしてくれます。それらを信じて、製品やサービスを作り、人を育て、情報を発信し、政策で応援すれば、日本はもっと元気になることができるはずです。
大阪・関西万博の成功が、日本がもっと自信を持ち、元気になる契機になることを期待しています。

