【井熊コラム#17】北陸地域の中小、中堅企業の支援について

· 井熊コラム

RICHはこのたび、経済産業省の令和7年度「中小企業支援事業補助金(中堅・中核企業の経営力強化支援事業)」に採択頂きました。中小企業庁の「イノベーション・プロデューサー育成事業」と合わせて、地域の中小・中堅・中核企業のご支援をさせていただくことになります。

中堅企業は大企業と中小企業の間に位置付けられ、設備投資や研究開発に積極的であり、環境変化への柔軟な対応力を持ち、地域経済のハブとしての役割を担っている、とされます。こうした企業の成長力が高まれば、日本の経済力が底上げされるでしょうし、地域経済も活性化します。並行して、中小企業が経営力や商品力を高めて中堅企業と呼ばれるようになり、さらなる成長を目指すようになれば、日本は重層的で活力のある産業モデルを擁することができます。国はそうした構造を目指して政策メニューを講じ、企業や地域は当該の政策を使って成長の基盤を作ることになります。

最近の政策では、支援能力のある機関(支援機関)が集まったプラットフォームの構築が求められることが多くなっています。多様な機関が地域企業の支援に参加するのは価値のあることですが、重要なのは、支援機関の知見が地域の企業の成長に資することであって、支援機関が集まること自体ではありません。日本の地域の企業支援で、支援機関が集まり机上の議論を重ねる段階は過ぎています。

今、日本の地域の産業支援でも求められるのは、個々の企業と対面し、企業と一緒になって固有の成長戦略を描き、戦略の実行に関わっていく、ハンズオンの取り組みです。企業の事情はまさに千差万別。創意工夫の必要がない企業支援は一つもありません。ハンズオンを重ね、成長に向けた支援の共通項を見出すことが、政策の進化につながるのだと思います。

RICHはこうした理念で地域の企業とお付き合いさせて頂き、各分野のトップクラスのアドバイザー陣の知見と企業の成長の現場をつなぎ合わせて参ります。RICHのメンバーには、個人の知見に囚われず、北陸と日本トップクラスの知見を持つ人たちとの橋渡しになろう、そのために何をしたらいいかを考えよう、と言っています。

創業の理念の下、ブレることなく、中小、中堅企業の成長に貢献していきたいと考えています。